綿矢りさ『インストール』を読んだ。

午前中、1時間足らずで『インストール』を読み終えた。
本を読むのがとても遅い私にしてこの時間で読み終わったということは、文藝賞受賞作だから1冊の本になっているが、普通だと、3篇か4篇が収められた短編集になるくらいの枚数のものなのだな。
それにしても、17歳でこれを書いたというのは、やはり大した才能だと言える。
高校生の女の子の一人称小説で思い出すのは、橋本治の『桃尻娘』だ。
あれが出たときは、私にとっては結構インパクトあったなあ。その後、橋本治をずっと追うようになったからなあ。
桃尻娘』は、主人公の榊原玲奈のアタマの中の饒舌で話が進んでいったが、『インストール』の主人公はそんなに饒舌ではない。
榊原玲奈は、あくまでも橋本治の「想像の中の女子高生」であって、ああいう女の子は居そうだけれど、やっぱりいないと思う。
でも、『インストール』の女の子のほうが、ああいうエロチャットの部分はどうかわからないが、「こういう子は居るかもね」と思えるリアルさがある。
別に、小説なのはわかっているんだから、リアルでなければならないわけでもないので、どっちがどうということはない。

綿谷りさの本は、105円コーナーでもう1冊買ってきたので、今度読もう。『蹴りたい背中』は、ついこの間まであちこちのBookoffで見かけたのに、買おうと思うと全然見つからない。