香ると匂う

最近の人は、良いにおいの時は「香る」と言い、「におう」というのは、臭い(くさい)時にだけ使うものだと思っているんじゃないかと思われる。
だから、ご飯が炊けたときの美味しそうないい匂いと言わずに、「いい香り」なんて言う。ごはんとか食べ物のようなもののにおいは、絶対に「匂い(におい)」であって、「香り」ではないと思う。
香りは通常、お花やお香とか香水とかに使うのであって、口にするものとしては、せいぜい挽き立てのコーヒーの香りとか新茶の香りのような、食べ物というより嗜好品のようなものにだけ使うものなんじゃないのかなと思う。
そういう感覚って、子供の頃から日本語の世界で育っていれば普通に身につけるものだと思うのだが、若い人(40歳以下くらいか?)は読書量も少ないし、その親もまた言葉に注意深くない人が多くなってるから、こうなってきちゃったんだろうな。


ホントに、言葉に無神経な人って多いよなあ。
昔は、郵便受けとポストの区別があって混乱しなかったけど、今は、年配の人まで、自分の家の郵便受けのことを「ポスト」なんて言うからなあ。
ポストっていうのは、道端に佇んでいて、不特定多数の人が投函するものだ。自分ちにあるのはポストじゃない。うちの郵便受けに誰かが切手貼った封書なんか入れてったって私は配達してやらないよ!
ホントにもう、どうしてちゃんと使い分けないんだろう? 私は気持ち悪くって仕方ない。